止まらないIPS液晶ディスプレイラッシュ [カラーマネージメント]
▲ Panasonic DMC-LX3で撮影。もう少しマクロが強いカメラだと良く撮れるんでしょうけど・・・。
今年4月、著名な評論家である麻倉怜士氏が、とあるコラムで液晶TVの視野角問題に触れ、「メーカーは広視野角・高画質であるIPSパネルを採用していくべき」とも取れる発言をしました。そしてまるでそれに答えるようにIPSパネルを搭載したコンピュータ用液晶ディスプレイが次々とリリースされています。
まず5月、DELLがe-IPSパネルを搭載した激安ディスプレイ:UltraSharp 2209WAの発表。2万円という超低価格を実現しながらも、グラフィック作業に耐えうる画質を持ち、"IPS=高価"という常識を打ち破りました。
また三菱がDiamondcrysta Color RDT241WEXをリリース。WUXGA 24インチ IPSディスプレイがほしいけど、NEC LCD2490WUXiを買うほどでもないんだよなぁ~というユーザのニーズに答えました。
そして消費者を驚かせたのが6月の NANAO ColorEdge CG243W と、FlexScan SX2462W の発表。これまでリリースしてきた50機種以上のディスプレイに SamsungのVAパネル・TNパネルを執拗に採用してきたナナオがまさかのIPSパネル採用。この2機種はすでに発売が開始されていますが、購入者のブログを見るとみなIPSの画質の良さを絶賛していました。
また三菱が、ハードウェアキャリブレーションに対応した Diamondcrysta Color RDT221WH をリリース。TNパネルばかりになり、絶滅しかけていた WSXGA+ ディスプレイにまさかのIPSパネル登場。デカさはいらないけど、画質にはこだわるユーザにはもってこいです。
で、今日の主題なんですが、DELL UltraSharp U2410 の発表。24インチ WUXGA 広色域IPSパネルを搭載し、例のごとく AdobeRGBほぼカバー、輝度 400cd/m2、CR比1000:1(ダイナミックCR 8万:1)、応答速度:GtG 6ms、視野角 178度 という基本スペックに加え、
・自由度の高いDELLハイエンドシリーズ向けスタンドを搭載。ピボットも可能
・USB 2.0ハブ付き
・メモリカードリーダ付き
・DVI-D 2系統(もちろんHDCP対応) + D-Sub 15pin + DisplayPort のPC4系統入力
・HDMI + コンポーネント + コンポジット のビデオ3系統入力
・PintP対応
・3年間メーカー保障(プレミアムパネル保証)
・輝点ゼロ保障(プレミアムパネル保証)
・1営業日交換(プレミアムパネル保証)
といった機能も満載です。特にHDMIを含む多数のAV入力を持ちながら、DVI-Dが2系統ついてるというのは目立ちにくいですが、パワーユーザには大きなポイントだと思います。またダイナミックコントラストが80,000:1ということは、バックライトの出力レンジが1:80というわけで、最大400cd/m2である U2410 は最低 5cd/m2 にできるということを意味します。LG Display社のIPSパネルはバックライトの調整範囲が狭く、最小出力でもまぶしかったり、発行が不均一になってムラの原因になったりするのですが、かなり進化しているようです。期待です。
※追記:U2410の最低輝度は100cd/m2以上とのことです。
しかし、本当に驚いたのは以下の内容・・・。
・内部12ビットガンマテーブルによる滑らかな諧調表現
・sRGBエミュレーション機能
・AdobeRGBモードと、sRGBモードを1台1台キャリブレーションして出荷
・製品ごとに校正レポート/測定データシートを添付
まるでColorEdgeです。初値は72,450円ということで、いつものDELLプライスを考えれば5万円だいにはすぐ落ちるでしょう。なんだか最近のDELL、本気です・・・。
そんなこんなで、2009年度はIPSラッシュです。逆にVAパネル搭載機種はゼロ。かなり前に「低価格のTN、画質のIPSに二分していくかもね」などと言いましたが、まさにそれが現実になりつつあるようです。
結論としましては、IPS信者のオレ歓喜。さてCG243Wか、U2410か、どちらをレビューすればいいのか・・・。
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